インクジェットプリンターライブラリー

抗菌加工製品

日本発の技術である抗菌加工製品市場は国内で1兆円を超える巨大市場となっています。海外でも「KOHKIN」の名称で広まりつつあります。
食中毒や様々な感染症など、細菌を原因とする脅威は私達の身近なところに潜んでおり、新型コロナウイルス感染症の大流行をきっかけに衛生に対する意識もますます強くなってきています。

そもそも細菌とウイルスの違いとは?

細菌とは目でみることができない生物で一つの細胞しかないので単細胞生物と呼ばれます。細菌は栄養源さえあれば、複製して増殖していくことができます。
一方、ウイルスとは細菌の50分の1程度の大きさで細胞を持ちません。自分の細胞が無いので他の細胞に入り込んで生きていきます。細胞の中で自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してほかの細胞に入り込み増殖していきます。

各種菌の処理に関する定義

抗菌・・・・・細菌(微生物)の増殖を抑えること
殺菌・・・・・特定の細菌(微生物)を殺すこと
除菌・・・・・化学的・物理的に細菌(微生物)を取り除くこと。その対象や程度は公的には定められていない。
滅菌・・・・・その物に存在するあらゆる細菌(微生物)を殺す、もしくは取り除くこと。高圧・高熱で処理するのが一般的。

経済産業省「抗菌加工製品ガイドライン」によると、「抗菌加工した当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」を、「抗菌」と定義しています。
よって、「抗菌」と表示されていても、殺菌や滅菌の効果は期待できません。あくまで「菌が繁殖しにくい効果を期待した製品」なのです。

SIAAマーク

業界が自主的な基準を作り、その基準に合致した抗菌作用を持つものにマークを付与しています。繊維では「SEKマーク」、繊維以外では「SIAAマーク」です。
SIAA(Society of Industrial technology for Antimicrobial Articles)マークとは1998年に発足した一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)が定めた抗菌性と安全性を満たす抗菌加工製品に付与できるマークです。

SIAAの定める抗菌性とは、抗菌加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が百分の一以下であり、耐久性試験後も抗菌効果が確認されること。
抗菌性は国際標準ISO22196に準じて行われた試験の結果にもとづいて判定されています。また使用される抗菌剤の安全性についても厳格に規定されています。 https://www.kohkin.net/

抗菌加工

印刷物に抗菌入りニスで表面をコーディングすることで細菌の増殖を抑制することが可能です。『抗菌ニス加工』を採用することによって清潔や安全志向など衛生環境への関心が高まっている今、好感度の高い印刷物の提供が可能となっています。
抗菌が求められる商品包装・パッケージに薬袋、マスク用ケース及びパッケージ、除菌スプレー用パッケージ、衛生手袋パッケージ、健康食品パッケージetc、
また多くの人の手が触れる、封筒、名刺、トランプなども抗菌加工を施した商品が多くなっています。

抗菌フィルム

スマホやタブレット、エレベーターボタン、ドアノブ、タッチパネルなど、私たちが日常的によく手を触れるものには菌やウイルスが付着している可能性があります。
特に公共施設や街中など、不特定多数の人が利用する場所では、その可能性も高まります。
知らないうちに菌に触れて感染する「接触感染」の防止として、いま活用が広がっているのが「抗菌フィルム」です。

抗菌フィルムとは、フィルム自体に抗菌性能があり、貼るだけで菌の増殖をおさえられる液晶保護フィルムのこと。最近はスマホの保護シートをはじめ、いろいろな場所で使われるようになってきました。

おわりに

新型コロナウイルス感染拡大が世界的に影響を与え、今後期待されるのは『抗ウイルス』機能であり、人々に安心安全を提供できるように印刷、パッケージ業界に現在、新たな課題、使命を与えられているのであります。
なお当社インクジェットプリンターは抗菌加工された容器・包装へのテスト印字が可能です。表面状態が気になる方は是非お試し下さい。