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RoHS指令/RoHS2とは

近年、「RoHS」という言葉を目にしたり、耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
RoHS指令は、電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する欧州連合(EU)の規則です。
グローバル市場に進出する企業にとって注目度の高いRoHS指令について詳しくご説明します。

RoHSの概要

RoHS指令は、電気・電子機器に含まれる特定の有害物質を規定し、物質の使用を制限する欧州連合(EU)の規則です。
「Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical Equipment」の略で、「Restriction of Hazardous Substances」の頭文字をとっています。読み方は「ローズ」です。

RoHSの変遷

2003年 2月13日 最初の指令(通称:RoHS1)公布
2006年 7月 1日 RoHS1 施行(2002/95/EC):対象は6物質
2011年 7月 1日 改正指令(通称:RoHS2)公布
2013年 1月 3日 RoHS2 施行 (2011/65/EU):
対象カテゴリ追加、CEマーク適用
2019年 7月22日 改正RoHS2(あるいはRoHS3)施行 (2011/65/EU)+(EU)2015/863:
制限物質が10物質に拡大

RoHSの目的

RoHS指令は、「人の健康や環境に影響を及ぼさない電気・電子機器の回収・処理」を目的にしています。

具体的には、
 ・電気・電子機器のリサイクルを簡単にする
 ・最終的に廃電気・電子機器を埋立てや焼却処分するときに有害物質を非含有とさせること
を目的として制定されています。

改正RoHS2(RoHS3)で使用制限される有害物質

最初に施行されたRoHS1では6物質が規制対象でしたが、2019年7月22日から、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ベンジルブチル(BBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)の4物質が新たに加わり、全10物質が規制対象になりました。
規制濃度(閾値)は、カドミウムのみ0.01wt%(100ppm)で、それ以外の物質は0.1wt%(1000pm)です。

RoHS指令対象物質 規制濃度(閾値)
0.1wt%(1000ppm)
水銀 0.1wt%(1000ppm)
六価クロム 0.1wt%(1000ppm)
カドミウム 0.01wt%(100ppm)
PBB(ポリブロモビフェニル) 0.1wt%(1000ppm)
PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル) 0.1wt%(1000ppm)
DEHP(フタル酸ジニエチルへキシル) 0.1wt%(1000ppm)
BBP(フタル酸ブチルベンジル) 0.1wt%(1000ppm)
DBP(フタル酸ジブチル) 0.1wt%(1000ppm)
DIBP(フタル酸ジイソブチル) 0.1wt%(1000ppm)

※「wt%」は「ウェイトパーセント」と読み、濃度を表す単位の1つです。

  • RoHS2

RoHSまとめ

RoHS指令は、EU限定での規制ですが、世界的に人体・環境に有害な物質の制限が進んでいます。今後、グローバル市場に出ていく必要のある日本企業にとっては、RoHS対応をはじめとした、有害物質の規制や指令に対応していく必要がありそうです。

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