インクジェットプリンターライブラリー

産業用インクジェットプリンターの解像度

インクジェットプリンターの印刷や印字にかかせない「解像度」という言葉をご存じでしょうか。聞いたことはあるけど、細かな意味は分かっていない方も多いかもしれません。
この記事ではインクジェットプリンターの解像度の概略や印字・印刷に与える影響を紹介します。

インクジェットプリンターの原理

そもそもインクジェットプリンターはどのような原理で文字や図柄を印刷しているのでしょうか。
インクジェットプリンターは液体のインクを複数の種類の方法で吐出させて対象物に文字や図形を印字するのです。

また、インクジェットプリンターの印字対象もさまざまです。たとえば紙やプラスチック、段ボール、金属、樹脂などがあります。形状も平坦なものから瓶など多くの形状に適用可能です。

インクジェットプリンターの方式

インクジェットプリンターのインクを吐出する方式にはインクを連続して吐出する方式のコンティニュアス方式と信号に応答してインクを吐出するオンデマンド式に分けられます。
とくにオンデマンド式にはピエゾ素子によりインクを吐出するピエゾ方式やヒーターでインクを加熱させ吐出するサーマル式、電磁バルブの開閉でインクを吐出するバルブ式があります。

解像度の種類

解像度と一言にいっても、印刷解像度と画像解像度に大別されます。非常に似た意味合いではありますが、厳密には異なる意味を持つのです

印刷解像度

インクジェットプリンターによる文字や画像のきれいさを示す言葉に「解像度」があり、「印刷解像度」ともよばれ、その単位は「dpi」です。
dpiとは「dots per inch」の略で、1インチ(=25.4mm)あたりのドット数を表しており、印刷の密度を示しています。

たとえば2400dpiや600dpiといった表記です。2400dpiはインクジェットプリンターのインクを1インチあたりは2400個、600dpiであれば600個もの数を吐出していることを示しています。
いいかえると2400dpiは1インチを2400等分し、それぞれに対して一滴のインクを吐出しているのです。

画像解像度

印刷解像度と似た言葉に「画像解像度」があります。「画像解像度」はデジタルデータの解像度で、画素の密度を示す単位です。
単位は「ppi」です。ppiとは、「pixel per inch(pixel / inch)」の略で、1インチ(=25.4mm)あたりの画素の数を意味します。考え方はdpiと同じく、300ppiであれば1インチあたり300個のpixel(画素)があります。

このように「印刷解像度」は印刷装置のインクを吐出する密度を示しており、「画像解像度」は画像データのpixelの細かさを示しているのです。

印刷解像度の違いによる印刷・印字サイズへの影響

印字・印刷サイズ

一般的に同じ画素(pixel)数で印字する場合、印刷解像度の高いものほど小さなサイズで印刷されます。たとえば、1000px×1000pxの画像を拡大/縮小せずに印刷すると、72dpiなら353mm×353mmに、300dpiなら85mm×85mmというサイズになります。
画像の拡大や縮小をせずに、印刷の解像度だけを変えるだけだと、印刷・印字領域が変化するためです。

ある文字を10個×10個の縦と横の列で印字するとします。1mm毎に1つの点しかうてない印刷解像度の低いプリンターの場合、文字を印字するのには100平方ミリメートル(10mm×10mm)が必要です。
一方で、同じ文字を0.1mmに1つの点をうてる印刷解像度の高いプリンターを利用する1平方ミリメートル(1mm×1mm)で印字できます。つまり、同じ画素数で印字する場合には、印刷解像度が高いほど、小さく印字できるのです。

印字・印刷サイズの計算方法

一般的に「印字・印刷される実寸」は「画像のピクセル数(ppi)」を「印刷解像度(dpi)」で除し、1インチあたりの長さである25.4mmをかけると計算できます。

「印字・印刷される実寸」=「画像のピクセル数(ppi)」÷「印刷解像度(dpi)」×25.4mm

たとえば、100pxの画像を10dpiのもので印刷すると254mm、100dpiで印刷すると25.4mmの長さです。
このように画像のピクセル数が同じであれば、高い印刷解像度の装置ほど小さな領域に高精細な印字・印刷ができます。一方で低い印刷解像度の装置であれば大きな領域に印刷・印字が可能です。

印刷解像度の違いによる品質の影響

印刷解像度が高いほど、高精細な印字や印刷ができます。一般的な印刷装置では600dpiもあれば、高品質な印刷が可能です。
また人の目は300dpiを超えると違いはわからないともいわれており、非常に細かくても意味がなくなってしまいます。

一方で家庭用のインクジェットプリンターの印刷解像度は1200dpiと非常に高いものもあります。
写真などを高品質に印刷するには、高いdpiが求められるためです。
言い換えると、バーコードや文字の印字が多い産業用のインクジェットプリンターは高くとも600dpiもあれば十分といえます。

アルマークが提供するインクジェットプリンター

アルマークでは低解像度から高解像度を有する産業用のインクジェットプリンターを持っています。低解像度のものであれば、最大2,200mmの文字高さまで印字可能です。
一方で、高解像度のインクジェットプリンターは600×600dpiと高い印刷解像度を有しており、高精細な印字を実現します。

どの解像度のインクジェットプリンターを選べばいいのか迷っている方は、お声がけ下さい。用途に応じて最善なインクジェットプリンターを提案いたします。