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印刷と印字の違いとは?方法や対象物などを解説

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印刷と印字は似たような言葉ですがどのような違いがあるのかご存知でしょうか。
実はこの二つの言葉には使い方や工程などで使い方が分けられています。この記事では印刷と印字の意味や使い方などを基に使い方の違いを説明します。

印刷と印字の大きな違い

印刷と印字は対象物に対して、既定のものを複製する観点では同じ仲間です。しかし、複製する事柄や工程、使用装置などの違いがあります。

印刷と印字の大きな違いの一つ目は内容の違いです。印刷は事前に決まった内容であり、印字は状況に応じて変わるものです。一般的に印刷は同じ絵や文字、図柄などを連続して対象物にうつします。
たとえば、商品のパッケージやチラシ、新聞などの印刷物です。つまり、まったく同じものを大量に複製する場合が多いのです。一方で印字は製造年月日や賞味期限・消費期限、ロット番号など流動的に変わる文字が対象になっています。
したがって印字は特定の文字を、状況に応じて打ち出すことを意味しているのです。

二つ目の違いは工程です。一般的に印刷は製品の包装前の工程です。たとえば、製品の箱や袋などにあらかじめ印刷されています。
一方で印字は製造工程中で捺印される場合が多いのです。ロット番号は製造ごと、消費・賞味期限も日時によって変わるため、製造工程内で印字されます。

三つ目は装置です。一般的に印刷する装置は印刷機とよばれ、印字する装置は印字機とよばれます。印刷機はロール紙などに文字や写真を連続して印刷するものです。
一方で印字機はすでに文字や写真などを印刷された用紙の一部に製造年月日や賞味・消費期限、ロット番号などを印字するものです。
このように印刷と印字は似たような印象を受けますが、複製する対象や工程、装置が異なります。では、印刷と印字の違いを定義や印刷・印字方法の観点から紹介していきます。

そもそも印刷とは

そもそも印刷とは何でしょうか。印刷とは、文字や画像の原稿をもとに印刷版とよばれる版を作り、版にインクなどをつけて文字や画像などを紙やフィルムなどに押し付けて複製することです。同じものを大量に複製することに向いています。

印刷方法

一言で印刷といっても印刷の方法は大きく異なります。印刷方法は大きく分けて印刷版がある「有版印刷」と印刷版のない「無版印刷」の2種類です。
その中でも有版印刷は「凸版印刷」「凹版印刷」「平版印刷」「孔版印刷」に分けられます。

凸版印刷

凸版印刷は四大版式の中で最も古い歴史を持つ印刷方法です。印刷版に凹凸があり、出っ張った凸部にインクを付着させて対象物に印刷します。

凹版印刷

凹版印刷は凸版印刷とは反対の印刷方式です。印刷版のくぼみ(凹部)にインクを充填して印刷します。

平版印刷

平らな版を使用した印刷です。水と油の反発作用によって対象物に印刷します。

孔版印刷

印刷版に空いた穴へインクを通過させて印刷する方法です。凸版印刷や凹版印刷と異なり、穴はくぼみではなく貫通している点が異なります。
孔版印刷の一つにスクリーン印刷があります。

デジタル印刷

デジタル印刷は印刷版がない無版印刷です。パソコン上で作成したデータをもとに対象物に印刷します。

印刷する対象

印刷するものは身近なものにたくさんあります。たとえば、段ボール・シール・ラベル・紙袋・フィルム包装があげられます。
また、雑誌・書籍・新聞・カタログ・チラシ・パッケージも印刷物です。その他にもTシャツの柄や服やタオルなど例をあげればあげきれないほどです。

そもそも印字とは

印字とは広辞苑ではプリンタやタイプライターなどで、文字や符号を打ち出すことです。
また文字や符号、印章の文字を指します。つまり、写真や図表ではなく「字」や「印」を複製するものと解釈していいでしょう。

印字する対象は文字や印が一般的です。具体的には製品製造時に決まる賞味期限や消費期限、ロット番号などが該当します。
身の回りの製品パッケージやペットボトル、製品の刻印までさまざまな用途で利用されています。

印字方法

印字を行う装置はさまざまです。たとえば、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザーマーカー、スタンプなどがあげられます。代表的なものを説明します

産業用インクジェットプリンタ

細かなインクを対象物に吹き付けて印字します。

サーマルプリンタ

サーマルヘッドに印字したい文字データを送り、熱を加えてサーマルリボンなどの感熱紙に印字します。

レーザーマーカー

レーザーを用いて対象物の表面をレーザーで削り印字します。

スタンプ

印字したい文字の型やゴム印などにインクを付着させ、対象物に押し付けて印字します。

印字する対象

印字の対象物はさまざまです。たとえば、食品/薬品/化粧品業界では包装フィルムやペットボトルなどへの樹脂材料から段ボールや紙パックなどの紙類、その他にも缶詰などに印字されます。
また、電機やデバイス業界に使用されるプリント基板やシリコンウェーハ、電子部品など非常に小さく細かなモノに対しても印字は使用されています。
さらに、自動車・金属業界にも印字は適用されています。塗装面や金属製品、ゴム製品などです。このように印字は材料によらず多くのものに利用されているのです。

アルマークが提供する印字プリンタ

アルマークでは特に印字装置を豊富に用意しております。たとえば、サーマル式のインクジェットプリンタやピエゾ式のインクジェットプリンタ、スタンプ式の印字機やマーキングマンなどさまざまです。
また、印字対象物も一般的な紙や段ボールからフィルムやガラス、セラミック、金属、ゴムなどに対応しております。印字にお悩みの際には、アルマークに是非お声がけください。