インクジェットプリンターライブラリー

産業用インクジェットプリンターの耐用年数とは

賞味期限

産業用インクジェットプリンターに限らず複合機やレーザープリンター、パソコンなどの情報機器といった機械及び装置には、異なった法廷耐用年数が国により定められています。

本記事ではその概要や定められている理由、減価償却費との関連を踏まえ、産業用インクジェットプリンターの法廷耐用年数の考え方を解説します。

耐用年数の概要と決められている理由

耐用年数(以下、耐用年数)とは、国が定めている「資産を使用できる期間」です。資産の種類によって、細かく決められています。
言い換えると耐用年数は資産としての価値がある期間であり、価値としての寿命ともいえるでしょう。

一方で耐用年数と似た言葉に耐久年数があります。耐久年数とは企業が独自の判断で「問題なく使用できる」と公表している期間です。
耐用年数と異なり、物理的に使用できる寿命を示しています。

では、なぜ耐用年数が決められているのでしょうか。耐用年数が定められている理由のひとつは、減価償却費を正しく計算するためです。
減価償却費は耐用年数に基づき計算されるため、指標が求められます。さらに耐用年数により納税者への公平性も保てます。耐用年数が納税者の判断によって異なると、課税額が変わる恐れがあるためです。
たとえば、同じ資産の耐用年数をある人は10年、ある人は20年とばらばらになると、課税額が同一資産でも人によって変化し不公平になるのです。

減価償却費との関係

耐用年数と減価償却費にはどのような関係性があるのでしょうか?減価償却費は耐用年数をもとにして、決定します。そのため、減価償却費と耐用年数は切っても切れない関係なのです。

減価償却と減価償却費

そもそも減価償却(償却)とは、資産は時間の経過に伴い、価値が減っていく考え方です。高額な資産を購入した場合、購入代金を一度に経費として計上するのではなく、分割して資産を計上するルールです。
たとえば、100万円の資産を購入したとします。初年度に100万円を経費として計上するのではなく、初年度は10万円、2年目に10万円と、100万円を複数年に分けて、経費にするルールが減価償却です。

一方で減価償却費とは固定資産の取得にかかった費用を耐用年数に応じて配分し、その期に相当する金額を費用として計上する勘定科目です。今回の例の場合は、10万円が減価償却費に該当します。

償却方法の詳細は国税庁のホームページを参照して下さい(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070914/pdf/04.pdf)。

産業用インクジェットプリンターの耐用年数の考え方

産業用インクジェットプリンターの耐用年数を考える前に、そもそも産業用インクジェットプリンターとはどのようなものでしょうか。

産業用インクジェットプリンターとは

一般的に産業用インクジェットプリンターは製品や包装などに直接インクを噴射して印字する産業・工業用のプリンターです。
家庭用のインクジェットプリンターや企業で使用する複合機とは異なり、多くの場合、工場の生産ラインに組み込み使用し、賞味期限や消費期限、ロット番号、製造年月日などを印字します。
その他にもプリントヘッドを移動させながら印字したり、独立のコンベアを使用したりするケースもあるのです。

産業用インクジェットプリンターと他の装置の耐用年数

一般的に装置の耐用年数は国税庁ホームページなどに公開されています。たとえば、複写機(コピー機)の耐用年数は5年です。
その他にも鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物であれば、最長で50年のものがあったり、食料品製造業用設備であれば10年、飲料・たばこ・飼料製造業用設備であれば、10年と資産によって耐用年数は異なっています。

一方で産業用インクジェットプリンターはそのくくりで、国税庁の耐用年数表に表記はされていません。なぜなら、産業用インクジェットプリンターは工場の生産ラインに組み込まれて使用される場合が多いためです。
たとえば、食品製造業務用の設備として、産業用インクジェットプリンターを導入すれば食品製造行用設備と捉えられ、木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備して導入すると木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備と考えられるのです。

つまり、企業によって産業用インクジェットプリンターをどのような資産の分類をしているかによって、耐用年数は異なるのです。

まとめ

産業用インクジェットプリンターの耐用年数について解説してきました。耐用年数は装置によって細かく決められており、装置ごとに減価償却が決まります。
一方で産業用インクジェットプリンターは資産の設備の種類や用途により分類方法が異なり、適用する耐用年数が決まります。

つまり企業の利用方法によって耐用年数が変わってくるのです。耐用年数をご確認の際には設備の種類や用途に注意しながら国税庁のホームページでよく確認するといいでしょう。