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印字検査機とは?検査機能やメリットを紹介

印字検査機はインクジェットプリンターやサーマルプリンター、刻印機などによる印字を画像として取り込んで検査・照合する装置です。
印字不良の製品を出荷しないためにも、印字の検査は必要な工程です。この記事では、印字検査機の概要や機能、メリットなどを紹介します。

印字検査機とは

印字検査機は賞味期限などの日付、製品所固有記号、ロット番号などに対して、印字の有無や印字の欠け、抜け、印字間違いなどを検査するための装置です。
もともと印字検査は人の目による確認が行われていましたが、確実な検査のために「印字検査機」による検査の自動化が増えています。

構成

一般的に印字検査装置は、印字面を撮影するカメラと撮影した画像を検査するソフトウェア(解析装置)、結果や解析の設定を表示するモニター、必要に応じて画像を保存するための記録媒体で構成されています。

検査方法

一般的に印字検査機は製造ラインに設置され、製品をリアルタイムで印字を検査します。具体的には印字部分を撮影し、画像処理により文字の認識をします。
認識した文字とあらかじめ準備していた判定基準で正誤判定を行います。正確な印字を求める場合は基準画像や基準テキストと照合し正誤判定をおこなう事も可能です。
また、製造ラインに設置される場合には読み取り速度(処理速度…1分間に何個検査できるか)なども重視されます。

印字検査機の機能

印字検査機はさまざまな機能を有しています。たとえば、印字装置やバーコードリーダーなどとの連携機能やトレーサビリティ機能を搭載しています。これらの機能の一例を紹介します。

印字装置との連携機能

印字検査機はインクジェットプリンターやサーマルプリンターといった印字機との連動する事が可能です。たとえば、印字内容や日付などの同期を実施し、設定もれや設定ミスを防ぐ事が可能です。

検査文字種

一般的に数字やアルファベットの認識が可能です。

文字認識

文字認識機能です。印字したドット文字の有無や汚れ、欠けを検出して判定します。
その他にも、誤印字や印字の位置ずれ、印字傾き、印字濃度、印字位置などを検出可能です。一般的に製品が回転していたり、多少傾いたりしていても、自動的に補正し検査できます。

対象印字

印字対象物も様々です。インクジェットプリンターや捺印、サーマルプリンター、レーザープリンターなどの印字に対応しています。万が一の場合も辞書登録機能があり書体を登録可能です。

ティーチング機能

同じワークで印字部分を印字検査機に繰り返し検査させることで、検査内容を設定します

ホールド機能

通常稼働時の検査合否判定OK/NGとは別に連続してNGが発生した場合外部へ出力する事が可能です。

なぜ印字検査機が必要なのか

印字検査は製品の信用を高めるうえで重要な検査です。なぜなら、食品表示の印字間違いや印字欠けなどは消費者の健康被害にもなりうるため、印字ミスは防がなければいけません。
さらに、印字ミスをした場合は商品の自主回収により、多大な費用も発生してしまいます。製品の出荷前に印字ミスを発見することはとても重要になるのです。

また、近年では食品衛生法の改正により事業者が食品衛生法に違反した製品を出荷し自主回収する場合は、各自治体を通した国への報告が義務化されています。
報告された情報は各自治体のホームページや消費者庁のリコールサイトに公開されるため、企業への信用も揺らぐ恐れがあります。

以上のことから、印字ミスした製品を出荷しないためにも印字の検査は重要なのです。

印字検査装置の導入メリット

印字の目視などの人の手を介した検査はヒューマンエラーや人手がかかること、検査員への負荷など多くの負担がかかります。
印字検査機はほぼ自動的に検査をするため、これらの負担の軽減につながるのです。印字検査機を導入するメリットを何点か紹介します。

人手で検査が難しい箇所の検査ができる

人手では時間がかかる印字検査も、印字検査機を使えば、時間短縮になるだけでなく目視検査ができない箇所の検査も可能です。たとえば、製品の裏面や底面などの箇所もカメラの設置を工夫すれば検査できます。
また、人手の場合、どうしても主観による判断が入ってしまいます。一方で印字検査機の場合は、設定された判断基準で印字の正誤判定ができます。

NG品の排出ができる

印字検査の後工程に、排出装置を設置する事例もあります。たとえば、印字検査の工程の後にアームにより機械的にNG品を排出する方法やエアジェットによりNG品を除外する方法などがあげられます。

画像を保存できる

印字検査機は撮影した画像をもとに解析するため、検査画像を保存できます。仮に、製品の出荷後に問題が発生した場合、印字検査の事実や出荷時の印字の状態などを確認でき、製造過程の印字状態を後から確認でき、トレーサビリティの観点でも重宝されています。
また、デジタルデータであるため、検索性も非常に高いです。印字した日付から検索や抽出もできるため、トラブルの原因究明にも一役買ってくれるでしょう。

印字検査機を利用している現場

印字の検査は製品の形態によらず実施されています。たとえば、紙パックや包装フィルム、瓶のラベル、レトルトパウチパック、缶詰、薬品・化粧品個装箱などさまざまです。

まとめ

印字検査機の概要や機能、メリットなどを紹介しました。印字検査機は印字の正確性を担保するためにも必要な装置の一つです。インクジェットプリンターやサーマルプリンターなどの印字機器を導入の際には印字検査機の導入も検討してみてはいかがでしょうか。